鬼灯(ホオズキ)とは?基礎知識から食べ方まで詳しく紹介!

  • URLをコピーしました!

可愛らしい赤い実が魅力の鬼灯(ホオズキ)。都会であまり見ることはできませんが、夏の風物詩として昔から親しまれている植物です。

お盆の飾り物のイメージがありますが、食用の鬼灯があることをご存知でしょうか。鬼灯の基礎知識から効能、美味しい食べ方を一挙ご紹介します!

目次

鬼灯(ホオズキ)とは?

ホオズキは漢字では「鬼灯」と書きます。鬼灯は、真っ赤な実が印象的で観賞用としてよく知られています。

夏に袋(萼)が橙赤色に膨らみ、まん丸とした可愛らしい実を付けます。夏の風物詩として昔から親しまれており、お盆には欠かせない飾り物として重宝されています。

そんな鬼灯ですが、観賞用とは別に食べられる食用の品種があることをご存知でしょうか。鬼灯を見たことはあっても、食べたことがない方も多いでしょう。

ここでは鬼灯の魅力に迫り、基礎知識から食べ方まで詳しくご紹介します。

ホオズキの基本情報

形態多年草
科名/属名ナス科/ホオズキ属
草丈30~100cm
開花期6月~7月
観賞期8月~9月
耐寒性/耐暑性強い/強い

鬼灯はナス科ホオズキ属の多年草です。食用の鬼灯もありますが、日本では観賞用としての方が良く知られています。

毎年夏に黄白色の花を咲かせ、萼は袋状に大きく成長し実を包み込みます。萼は最初は緑色ですが、徐々に色づき8月頃には鮮やかな橙赤色になります。萼を破ると、その中からは真っ赤でぷっくりとした可愛らしい実が顔を出します。

観賞期が終わり、秋が深まって初霜の降りる頃、鬼灯の萼は葉脈だけが網状に残り、写真のような非常に美しく幻想的な姿に変化します。

このようにドライフラワーのようになった鬼灯のことを「透かし鬼灯」や「網鬼灯」と呼びます。葉脈の隙間から、まん丸とした可愛らしい実を見ることができ、飾り物として大変人気があります。

透かし鬼灯は、人工的に作ることも可能です。よく熟した鬼灯を数日水につけておくと、柔らかい組織が溶けて葉脈だけが残り、「透かし鬼灯」になります。

開花時期に開催される「ほおずき市」

ほおずき市は毎年夏、浅草寺で催されています。境内に鬼灯を売る店が約100店以上並び、赤く実りかけた鬼灯の鉢植えが参拝客に販売されています。

催し日は、毎年7月9日、10日の両日開催されています。室町時代末期頃から「功徳日」と呼ばれる縁日が設けられるようになり、現在浅草寺では月に1度、年に12回の功徳日があります。

功徳日は、その日に参拝すると100日、1,000日分などの功徳が得られるという特別な日です。ほおずき市が催される7月10日は「四万六千日」と呼ばれ、46,000日分の功徳があるとされています。この功徳日と相まって、ほおずき市には全国各地から多くの方が参拝に訪れています。

鬼灯(ホオズキ)の花言葉

可愛らしく美しい姿の鬼灯ですが、どんな花言葉が付けられているのでしょうか。鬼灯には実にたくさんの花言葉があります。日本と西洋に分けて花言葉とその由来について見ていきましょう。

国内のホオズキの花言葉

鬼灯の花言葉(日本)「心の平安」 「私を誘ってください」 
「偽り」 「ごまかし」 「半信半疑」

子供の頃、鬼灯の袋(萼)を紙風船のように遊んだり、袋を破って中の実を見て喜んだりしたことはありませんか?その楽しく遊んでいる子供の姿が微笑ましく、心が和んだり癒されることから「心の平安」と付けられたようです。

「私を誘ってください」は、橙赤色に膨らむ鬼灯の見た目から恥ずかしがる女性をイメージし付けられました。

一方、「偽り」「ごまかし」「半信半疑」というネガティブな花言葉もあります。鬼灯の袋の大きさに対して、中は空洞で実が小さいことから”期待外れ”の意味がこめられているようです。

西洋のホオズキの花言葉

鬼灯の花言葉(西洋)「deception(ごまかし)」

西洋の花言葉は、日本と同じ「deception(ごまかし)」です。由来も日本と同様、その見た目と中身のギャップから付けられています。

美しく人々を魅了する鬼灯ですが、このように意外とネガティブな花言葉が多いので贈り物としてはあまり向いていないかもしれません。自分用に栽培したり、観賞して楽しむ方が良さそうです。

鬼灯(ホオズキ)の花や実

鬼灯は、白・淡いクリーム色、黄白色の花を咲かせます。鬼灯の色づいた袋に目がいきがちですが、花もたくさんの小さな花がまとまって咲き、とても綺麗な情景を醸し出してくれます。

鬼灯の花の見頃は6月~7月の初夏です。開花期が終わっても、次は果実の見頃を迎えるので、観賞用として長い間楽しませてくれる植物です。

観賞用の鬼灯の実は食べることができない為、食用のイメージが薄いのが現状ですが、食べることができる種類も存在します。

花や実の種類①食用

1990年頃から食用の鬼灯も栽培され始め、今では全国にも出回り「ストロベリートマト」という名称でスーパーの店頭にも並んでいます。

食用ホオズキの特徴は、観賞用の真っ赤な実と違ってオレンジ色です。鬼灯の魅力である袋も橙赤色ではなく、ベージュ色でカサカサとして枯れたような見た目です。実は、この袋がベージュ色になったら食べ頃のサインです。

食用ホオズキは、濃縮したミカンのような甘酸っぱさでトロピカルな風味が楽しめます。トマトとパイナップルをブレンドしたような香りで、味も香りもまさにフルーツそのものです!

花や実の種類②観賞用

一般的に目にすることが多い、赤く色づいた鬼灯が観賞用です。まん丸とした赤い実はとても美味しそうに見えますが、苦くて食べることはできせん。

観賞用の鬼灯には、一般的に栽培される「タンバホオズキ」、草丈が低い鉢植え向きの「サンズンホオズキ」、唐辛子形の形がユニークな「ヨウラクホオズキ」などの種類があります。

観賞用ホオズキの地下茎や根は、酸漿根(さんしょうこん)という生薬名を持っています。根には毒があるとも言われていますが、平安時代の頃から鎮静剤として利用されており、その効能は咳や痰、解熱、冷え性などに効果があるようです。

鬼灯(ホオズキ)の食べ方と効能

食用ホオズキは、素晴らしい効能を得られる貴重な食材として注目されています。ここからは、食用ホオズキの美味しい食べ方とその効能についてご紹介します。

食用ホオズキの品種

食用ホオズキにもいくつか種類があります。

オレンジ色でトロピカルな味わいの「ストロベリートマト」、紫、緑、黄色など様々な色の実付け、サルサソースやグリーンソースの材料に使われる「トマティロ」、黄金色で酸味が強く、ドライフルーツに加工して食べられることが多い「ベルウィアーナ」などがあります。

一般的にスーパーなどで販売されている鬼灯は「ストロベリートマト」になります。

食用ホオズキの食べ方

食用ホオズキは、生のままでも美味しく食べられる果実です。サラダにいれたり、生ハムで巻いたり、フルーツのようにスイーツにトッピングしても美味しいです。

またジャムに加工するのもおすすめです。食用ホオズキと砂糖を一緒に煮詰めれば、フルーツっぽい良い香りと、甘酸っぱさが詰まった美味しいジャムの出来上がりです。

また、肉料理や魚料理のソースに活用すれば、フルーティーでひと味違ったソースができます。

食用ホオズキの効能

食用ホオズキはビタミンAが豊富で、活性酸素を抑え動脈硬化や心筋梗塞などの生活習慣病から守ってくれたり、がん予防にも貢献する働きがあります。抗脂肪肝ビタミンといわれる「イノシトール」も含まれ、体脂肪の減少やコレステロール値を下げる働きがあります。

ビタミンAや鉄分はトマトの約4倍、イノシトールは約2.5倍とも言われており、美容や健康に良い栄養素がたっぷりと含まれています。

株に含まれる毒には注意が必要

鬼灯には”毒”があるので注意が必要です。食用ホオズキの実には毒はないので安心して下さい。毒があると言われる部分は、鬼灯の株や根の部分です。

毒と言っても、昔から漢方薬として鬼灯の根を煎じて飲む習慣があるので、命にかかわるものではありません。毒と言われる反面、素晴らしい効能を持っているのも事実です。

気を付けなければいけないのは、妊娠中の方です。鬼灯の根には、子宮を収縮させる作用がる「アルカロイド」という成分が含まれており、流産してしまう危険があります。くれぐれも、妊娠中の方は、口にしないよう注意しましょう。

食用鬼灯(ホオズキ)は美味しくて美容効果抜群!

観賞用としても、食用としても楽しめる鬼灯についてご紹介しました。今まで、鬼灯を飾り物としてしか見ていなかった方も、食べられる品種があることを知って興味が湧いた方も多いのではないでしょうか。

食用ホオズキには、体に良い栄養が豊富に含まれており、美容効果も抜群です!これを機に、是非フルーティーでトロピカルな鬼灯を食べてみて下さい。そして、夏になったら観光がてらに浅草寺の「ほおずき市」に訪れてみてはいかがでしょうか。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次