グレビレアの花はどことなく彼岸花に似ていますが、茎を伸ばしながら育つのではなく挿し木をして育っていく植物です。また、グレビレアはまだあまり知られていない植物ですので育て方もよく分からない方も多いかと思います。今回はそんな謎だらけのグレビレアについてを詳しく紹介していきます。
グレビレアの基本情報
科名:ヤマモガシ科
属名:グレビレア属
学名:Grevillea
別名:グレビリア
みずやり:水控え目
場所:外の半日蔭
難易度:上級者向け
グレビレアはヤマモガシ科のあまり大きく育たない低木タイプの植物です。また、グレビレアはオーストラリア原産の植物で、花が彼岸花に似たような独特な花の形をしています。別名「スパイダーフラワー」と名前が付けられるほどクモのような花の形が特徴です。
グレビレアの由来
グレビレアの名前の由来は、イギリス王位園芸協会の創始者『チャールズ・グレビル』から名前が来ているという由来があります。グレビレアはオーストラリアからパプアニューギニアに生息する暖かい気候で育つ植物です。気温があれば年間を通して花を見ることができますが、日本には四季がありますので、寒くなりすぎてしまうと枯れてしまいます。
しかし、近年では日本にも流通しているため、その独特の花の形が珍しく切花や花鉢でも見かけるようになってきました。グレビレアの形態は種類によって様々な印象の違う花を咲かせるのも魅力です。
グレビレアの花言葉
グレビレアには「情熱」「平和」「燃える熱情」「あなたを待っています」といった花言葉があります。
グレビレアの開花時期
葉の形も珍しいため観葉植物としても販売されているグレビレアですが、どうせ育てていくなら花を咲かせて楽しまなければ勿体ないです。グレビレアの花が開花する時期は、栽培環境によっても変わってきますが、冬の寒い時期で10度前後の場所で育てている場合は「2月~3月」頃に開花します。
また、戸外でグレビレアを育てていく場合は「5月前後」に花を見ることができます。そして、注意する点は真夏の暑い時期にはグレビレアの花は咲きません。もしも春にグレビレアの花が開花しなかった場合は、太陽の光が不足しているということになりますので、グレビレアを植えるときは日差しのことも考えてください。
グレビレアの特徴
グレビレアは成長すると約2mほど育つ植物で、変わった花を咲かせる比較的に丈夫な植物ですが、グレビレアを栽培していくこと以外に注意しなくてはいけないことはどのような事があるのでしょうか。こちらでは、グレビレアを育てていく上で注意しなくてはいけないことについて紹介していきます。
グレビレアはアレルギーに注意
グレビレアには少なからずアレルギーを含む成分があります。敏感肌の方は稀にですが、葉に触れただけでかぶれてしまう方もいます。しかし、アレルギーを引き起こす成分は少ないため、アレルギー反応する方はほとんどいません。
このことを覚えておけば、グレビレアという植物はまだあまり知られていないので、仮にかぶれてしまった場合はグレビレアを疑ってみましょう。特にグレビレアを室内で栽培する場合は色々な方が触れるケースが多いので気を付けましょう。
グレビレアの育て方【栽培環境】
グレビレアは丈夫な植物ですが、栽培環境によっては花を咲かせてくれない可能性もありますので、気を付けていかなければいけないこともあります。こちらでは、グレビレアの栽培環境で注意しなくてはいけない点を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
栽培環境①日当たりの管理
グレビレアは日当たりがよい場所を好む植物ですので、なるべく日当たりの良い場所を作って育てていきましょう。また、あまりにも日が当たらない場所で栽培していくと日照不足のため、葉色が悪くなるだけではなく花が咲かなかくなってしまう場合があります。
そして、グレビレアは多湿の環境も苦手でですので、雨が長く降る梅雨のような時期は、根腐れを起こしてしまう可能性があります。そのような事がないように、雨が当たらない場所に移動させるか、簡易的な屋根を作って雨から守りましょう。
鉢植えの場合も注意が必要で、水やりをしすぎると根腐れを起こしやすくなります。また、寒冷地でグレビレアを栽培する場合は、鉢植えで管理し、なるべく日当たりの良い場所で育てていきましょう。
栽培環境②用土
グレビレアの用土は水はけに気を付けていかなければいけないので、粒が大きいタイプの赤玉のみで水はけを良くする栽培方法やホームセンターなどでも購入できる花と野菜に使っていく土に川砂を混ぜて水はけをよくす方法、山などにある腐葉土を使う方法があります。
また、グレビレアは弱酸性の土を好むため、腐葉土や庭の土を使う場合は石灰を混ぜ、グレビレアを植える1週間前までに混ぜて中和させておきましょう。
グレビレアの育て方【日々の管理】
日当たりや用土の基本的な栽培環境は分かりましたが、グレビレアを植えたあとの日々の管理はどのようにしていけば良いのでしょうか。こちらでは、グレビレアの日々の管理で気を付け行かなくては行かないことについて紹介していきます。
日々の管理③水やり
グレビレアは元々乾燥地帯で育った植物ですので、そのような環境で育ったせいか水やりを頻繁に行ってしまうと根腐りしてしまい、いずれかは枯れてしまいます。ですので、水やりのタイミングは必ず土が乾いてからにしましょう。
しかし、グレビレアは乾燥地帯で育った植物ですが、真夏の乾燥時期には水が切れやすく枯れてしまう恐れがありますので、夏場は必ず水切れで乾燥する前に多めに水やりを行っていきましょう。
日々の管理④肥料
グレビレアの肥料を与える時期は、春と秋に『緩効性化成肥料』を株元に撒くことでより元気に育っていきます。しかし、グレビレアは生育が旺盛なため、一度の肥料で、そこまで肥料を与えなくても問題ありません。
また、肥料を与える際に注意しなくてはいけない点ですが、グレビレアは『リン』を含んだ肥料を与えると根を痛めてしまい枯れてしまう場合がありますので、事前にリンが入っていない肥料を購入しましょう。
日々の管理⑤害虫
グレビレアは病害虫に対する抵抗力が非常に強いため、日当たりや水やりに注意しておけば問題なくグレビレアを育てていくことができます。
グレビレアの育て方【その他】
グレビレアは害虫に強く、水やりも肥料もほとんど必要なく、栽培環境さえ気を付けておけば初心者の方でも簡単に育てていくことができるおすすめの植物です。こちらでは、グレビレアの「植え付け」「冬越し」「剪定・切り戻し」「挿し木」の方法を紹介していきます。
その他⑥植え付け
グレビレアの植え付け時期は4月〜5月や夏の暑い時期がおさまってくる9月〜10月に行っていきます。また、グレビレアを庭に植えていく場合は、先ほど紹介した用土を使っていくのですが、根鉢の2〜3倍程大き目な穴を掘っていきましょう。そこにグレビレアの苗木を植えて水やりをしたら完了です。
また、鉢植えでグレビレアを育てていく場合ですが、鉢の底にネットを入れて水はけを良くするために軽石を敷いていきましょう。その上に用土を入れてグレビレアの苗木を植え付けます。その後、たっぷりと水やりをしたら完了です。
しかし、鉢植えで育てていくと成長が早いため、植え替えは2年に1回行いましょう。タイミングとしては花が咲き終わったときが適期です。まずは鉢から株を取り出していき、根に古い土がついていますので、1/3程落としていきましょう。後は傷んでいる根があれば切り取り、1回り大きな鉢に同じ手順で植え替えていきます。
その他⑦冬越し
グレビレアはオーストラリアの植物ですが、寒さに強い品種となっています。しかし、霜は必ず避ける必要があり、霜があたることで葉を痛めたり枯れてしまう可能性もあるので注意が必要です。
霜から守る対策は、鉢植えの場合は室内で育てていき、庭植えの場合は霜があたらないように生えぎわの土を覆って霜よけをしていきましょう。
その他⑧剪定・切り戻し
グレビレアは2mほどで成長が止まってしまうので、特に剪定する必要はありません。しかし、剪定をしないと枝が密集してしまうため、風通しが悪く日当たりも悪くなってしまいますので、しっかりと剪定をしていきましょう。
グレビレアを剪定する方法は、花をつけなくなってしまった古い枝や枯れた枝を剪定します。また、細くて元気のない枝も剪定してしまい、枝をすっきりして風通しや日当たりを良くするように剪定していきます。
グレビレアは切りすぎたを思うぐらい剪定しても、生命色が強いので枯れることはありません。またすぐに新しい芽を出そうとするので、古い枝は思い切って根元から切ってしまいましょう。
その他⑨挿し木
剪定で切った元気な枝を使うことで挿し木をしてグレビレアを増やすことができます。しかし、グレビレアの枝は根が出にくいため、挿し木をする際は発根を促すような薬剤を使うことをおすすめします。
挿し木に成功すればグレビレアの数が増え、独特の存在感がある庭にすることができます。また、根が生えにくいものの挿し木の方法は非常に簡単で、グレビレアの枝を10cm程カットし、挿し穂を作っていきます。挿し木に枝や葉がついていると邪魔になってしまうので綺麗に取ってしまい、用土に植えていきましょう。
グレビレアは多湿に弱いので水のやりすぎには注意!
グレビレアは発育がよく大変育てやすい植物のため、初心者の方でも栽培することができます。また、品種が多、色や大きさも様々です。グレビレアを育てていく上で気を付けることは、日光に当てる、水をあげすぎない、霜は避ける、この3つの事に気を付けていけば丈夫なのでしっかりと育てていくことができますので、ぜひ一度は育ててみてはいかがでしょうか。