クリスマスリースの素材にもなるコニファー。グリーンの葉色がとても綺麗で、観賞用として庭木や寄せ植えなど、ガーデニングでも人気です。ここでは、そんなコニファーの上手な育て方のコツをご紹介します。自分で育てたコニファーで、素敵なクリスマスリースを作ってみませんか?
寄せ植えにおすすめコニファーとは
コニファーとは針葉樹の総称で、観賞用で人気の庭木です。裸子植物が丸みを帯びた実を付けることから「コニファー」と呼ばれますが、種別でいうと球果植物門の植物を指します。
コニファーは細長い針のような葉を持つ植物で、グリーンの葉色の美しさが魅力です。花は咲きませんが、洋風住宅の庭木に良く似合い新築住宅の庭に植える方も増えています。
冬でも楽しめる常緑植物なので、クリスマス時期になると飾り付けをしツリーに見立てたり、クリスマスリースにもよく活用されています。ここでは、そんなコニファーを上手に育てるコツをご紹介していきます。まずは、基本情報から見ていきましょう。
コニファーの基本情報
英名 | Conifer |
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和名 | コニファー |
科名・属名 | マツ科、スギ科、ヒノキ科etc… |
原産地 | 北米、温帯北部~冷帯までの世界中 |
樹高・草丈 | 0.5〜20m |
コニファーは、マツ科、スギ科、ヒノキ科など、複数の科をまたいだ常緑性の針葉樹林です。樹高は品種によって0.5〜20mと様々で、鉢植えや寄せ植え向きのもあれば、地植えでしか育てられない品種もあります。
コニファーの主な種類
先にもご紹介しましたが、コニファーは複数の科をまたいだ常緑性の針葉樹林で、その種類は世界に500種類以上、数万の品種があると言われています。
日本だけでも200種類以上と多種多様なコニファーですが、ここでは、その中でも代表格とされるコニファーをいくつかご紹介します。
種類①ゴールドクレスト
ゴールドクレストは、ヒノキ科・クプレッスス(イトスギ)属で、コニファーの中では最もポピュラーな品種です。黄金色の枝葉が特徴で、成長すると20mまで育ち、冬の寒さに強く乾燥にも耐える性質を持っているので、地植えなど屋外での栽培に適しています。
種類②シルバースター
シルバースターは、ヒノキ科・ヒノキ属のコニファーです。葉色が少し青っぽいシルバー色で分枝が旺盛な品種です。葉の形状が細く、上から見ると星型に見えることが「シルバースター」と名付けられました。2mと樹高が低いこともあり、寄せ植えとして大変人気があります。
種類③エメラルドグリーン
ヒノキ科・クロベ属のコニファー・エメラルドグリーンです。葉っぱが円錐形で冬はクリスマスツリーにぴったりのコニファーです。エメラルドグリーンの葉色が美しく光沢があるのが特徴で、枝葉からはトロピカルフルーツのような柑橘系良い香りがします。
種類④エレガンテシマ
エレガンテシマは、ヒノキ科コノテガシワ属の鮮やかなライトグリーンが美しいコニファーです。冬になると、この明るい葉色がブラウンに変化しますが枯れているわけではありません。この色の変化も魅力のひとつで、丈夫で育てやすく、爽やかな香りも人気があります。
種類⑤ブルーアロー
ブルーアローはヒノキ科・ビャクシン属で、コニファーの中でも人気が高い品種です。葉色は青みがかったグリーンで、ほうき状のスマートな樹形が特徴です。細身のまま成長するので、剪定不要で手入れも楽です。玄関横やベランダなど、狭小スペースにはとても重宝するでしょう。
コニファーの育て方【栽培環境】
ここからは、コニファーの上手な育て方のコツをご紹介していきます。コニファーは、冬に葉を落とすことも少なく、初心者でも大変育てやすい植物です。
鉢植えでも地植えでも育てることはできますが、選ぶ品種によっては向かないものもあるので、樹高や性質などをチェックして、自分にあった品種のコニファーを育てることがポイントです。
まずは、コニファーを育てる為の栽培環境から見ていきましょう。
育て方①置き場所
コニファーは日当たりの良い場所を好みます。半日日陰でも育ちますが、上手に育てる為にもある程度日の当たる場所がおすすめです。
室内で育てたい場合は、鉢植えにして室内の窓際など明るく風通しの良い場所に置きましょう。しかし、どちらかと言えば、日当たりの良い屋外で栽培する方が育てやすいでしょう。
育て方②土
コニファーは水はけの良い土を好みます。水はけの悪い土では根腐れを起こしやすく、最悪枯れてしまうので注意が必要です。
鉢植えの場合は、市販の観葉植物用の土が便利でおすすめです。自分で土作りをする場合は、赤玉土 (小粒、中粒)と腐葉土を7:3で混ぜたものを用土として使います。地植えの場合には掘り起こした土に腐葉土を混ぜて使用しましょう。
苗の選び方
コニファーは常緑針葉樹のため、ガーデニングでは種から育てるには困難です。コニファーを育てたい場合は、園芸店やホームセンターなどで苗を購入しましょう。苗は、枝が太く、株元がしっかりとしていて、葉がみずみずしいものを選びましょう。
葉の間がスカスカなものや、変色しているもの、枝がひょろっとしていて元気がないものは避けましょう。
育て方③植え付け
コニファーは乾燥や蒸れに弱いので、3~4月または、9~10月が植え付けに適しています。鉢植えの場合は、苗よりも一回り大きな鉢に鉢底石を入れて、「育て方②土」で用意した土に植え付けを行いましょう。
地植えの場合は、コニファーの成長を考慮して密になりすぎないよう間隔をあけて植え付けを行います。
コニファーの育て方【栽培管理】
コニファーの育て方、次は栽培管理の方法をご紹介します。コニファーをクリスマスツリーとして利用する場合は、剪定方法が鍵となります。コニファーの水やり方法、肥料、病害虫から剪定方法まで、詳しく解説していきます。
育て方④水やり
鉢植えの場合、土の表面が乾いたらたっぷり水やりを行いましょう。夏は涼しい朝か夕方に水やりをするのがおすすめです。冬は3~4日に1度、土の表面が凍るのを防ぐた為午前中のうちに水やりを済ませましょう。
地植えの場合は、根付くまでは鉢植えと同じように水やりをしますが、根付いた後は基本的に水やりの必要はありません。雨が降らず、日照りが続くよう時のみたっぷりと水やりを行いましょう。
育て方⑤肥料
鉢植えの場合は、生育が活発化する3月と6月下旬に、緩効性肥料の置き肥か液体肥料を与えましょう。生育期に肥料を施すことで、新芽や花芽の増加、樹勢の回復、根張りの強化が期待できます。
地植えの場合は、2~3月に緩効性肥料、もしくは油かすなどの肥料を与えます。鉢植え、地植えとも、肥料は株元に施すようにします。
育て方⑥病害虫
コニファーは、植物の中でも病害虫に強い植物です。しかし、稀にアブラムシやハダニの害虫が寄生することがあります。放っておくと、植物の栄養を吸汁し株を弱らせ、枯れてしまうこともあるので注意が必要です。発見次第、専用の薬剤で駆除するようにしましょう。
育て方⑦剪定
コニファーは品種にもよりますが、円錐形にまとまり成長するものが多いので、剪定に手間がかからないことが魅力でもあります。
ただし、家の目隠しやシンボルツリー、クリスマスツリーとして利用する場合は、美しい樹形を保つ為に剪定することをおすすめします。
剪定は真夏(7~8月)を避けて行います。大きく刈り込む「強剪定」は、樹木の成長が止まっている3月~4月がおすすめです。細かな剪定は、6~7月や9~10月に行うと良いでしょう。
育て方⑧植え替え
鉢植えの場合は、コニファーの成長に合わせて植え替えが必要になります。2~3年おきに、植え付けと同じ3~4月または、9~10月に植え替えを行いましょう。
鉢が窮屈になってきたり、鉢底から根が伸び出してきた時が植え替えのサインです。 一回りほど大きな鉢を用意して、根を傷つけないよう植え付けと同じ要領で行って下さい。
コニファーの育て方【増やし方】
コニファーの多くは挿し木で増やすことができます。挿し木の適期は3~6月頃です。10~15cm程の枝を斜めにカットし、葉先も切り取ります。そのまますぐに切り口を水に浸し、1時間程水あげをしましょう。
植え付け時と同じ土を育苗ポットに入れ、水あげしたコニファーの枝を3cmほど挿します。後は、しっかり発根するまで乾燥させないように日陰で管理しましょう。
葉先を持って揺らしてもぐらぐらしなくなったら、発根している証拠です。うまくいけば、3~4ヶ月程で発根するでしょう。発根を確認したら一回り大きな鉢に植え付けを行います。
コニファーが枯れる原因
2~4月の生育期に、コニファーの葉が茶色くなり枯れてしまうことがあります。特に、”クリスマスツリーみたいな木”として有名な「ゴールドクレスト」は枯れやすく、栽培している方にとって悩みの種です。
コニファーが枯れる原因は、直射日光による葉焼けや暑さのムレや乾燥などが挙げられます。コニファーを枯らさない為にも、風通しのよい場所に置いたり、ムレを防ぐ為に葉や枝を適度に摘み取ってあげましょう。
もし枯れてしまった場合は、西日が当たらない場所に移動させ、枯れた部分を剪定して下さい。
クリスマスに向けてコニファーを育ててみよう!
クリスマスツリーやリース、寄せ植えにぴったりな「コニファー」の育て方のコツをご紹介しました。枯れやすいのが難点ですが、水はけの良い土と、風通しの良い場所などに気を付ければ、さほど難しくはありません。
コニファーは1年中、グリーンを楽しむことができる植物です。これを機に、クリスマスに向けてコニファーを育て、冬になったら飾り付けをしてクリスマス気分を味わってみてはいかがでしょうか。